おやじ転車です。



「ボロボロのおやじ転車に、勇気を与えてくれた青年ローディーとの出会い 」

いよいよ終章となりました。


今回、僕が書いた記事の中で、一番長いシリーズになったのではないでしょうか。
このシリーズ、もはや僕にとっては「記事」ではなく「作品」と化しました。


そして、何度も書きますが、ここまでご覧下さった皆さま、お疲れ様でしたと共に、本当に最後までありがとうございました。
このシリーズを読んで頂いて、自転車の楽しさ厳しさ、そして出会いの嬉しさと素晴らしさを少しでも感じて下されば「GOGO！おやじ転車」のブログ冥利に尽きるというものです。




それでは、お待たせしました。

終章 〜 葡萄坂に吹いたあおいの風 〜

どうぞご覧下さいませ。




ここまでの走行距離102km。




葡萄坂のスタート地点であるセブンイレブンで、おやじ転車は一人の青年と出会う事が出来ました。


「あおいのさん！！」


「おやじ転車さん！！」←「あおいの」のだけにこの色で


その青年は、グローブを外し僕に握手を求めてきました。
僕も直ぐにグローブを外し、直ぐに手を差し出します。


二人「初めまして！！！」


あおいのさん「お会い出来て本当に良かったです！よろしくお願いします！」



おやじ転車「やっと会えましたね！！こちらこそよろしくお願いします！！」




おやじ転車は思いました。

なんて爽やかな青年だ・・。

イメージとだいぶ違うな・・。

あおいのさんのイメージ
　　　↓　↓　↓




二人とも出会えた事による緊張と喜びで、喋ってる内容がコロコロ変わっていましたがw、自転車に対する熱い思いは、お互いの心に伝わりあっているようでした。



おやじ転車「あおいのさん、ほんまスンマセン、時間がリミット近くになってきたので、早速登りましょうか？！」



あおいのさん「いいですよ！　行きましょう！行きましょう！」



しかし、なんて好青年なんだろう・・。
今までの疲れが癒される。

あおいのさんは、人の疲れを吹き飛ばすお力があるようだ・・。


「あおいの風は涼風・・か」


そう、おやじ転車は思いました。



人当たりの良い、爽やかすぎる好青年あおいのさんに、葡萄坂について問います。



おやじ転車「あおいのさん、葡萄はどれくらいで登ります？？」


あおいのさん「16分台前半ですね！」


おやじ転車「そうですか、そしたら16分切り・・目指しますか！！」


あおいのさん「お願いします！！」



サウングラスの奥にある瞳は、生き生きとやる気に満ち溢れていました。

おやじ転車、いわゆるペーシングというやつは初めてで、


「ちょっと緊張するなw 　こんな脚の状態で、そもそも俺が16分切り出来るのかっていうww」


そんな事考えながら、


「あおいのさん、そしたら行きますよ！」

「はい！」

「では！！」



ほるあぁー・・・ぁ



いや、いろんな意味でやめておいた方が良いなw



おやじ転車、気合が入りすぎで雄叫びをあげそうになりましたが、唾を飲み込みかろうじて口に出す事はありませんでした。


とにかく、目的はあおいのさんの16分切りです。


それだけを意識して、淡々と先頭を牽きます。


マンションヘアピンを通りすぎ、びみょーにキツイ斜度を出来るだけペースの上下を少なくして、前へ前へと進んでいきました。

時折、


「あおいのさん、いけますか？！」


とお声を掛けて振り返ると、


「はい！大丈夫です！」



あおいのさん、爽やかさとアグレッシブが見事に融合していて、その登る姿はまるで真波くんのようでした。


いいペースで登って行きます。


「これ、ほんまに16分切れるかも」


そして、さらに進んでゴルフ場を過ぎ、もう一度振り返ります。

そこで、初めてあおいのさんのペースが少し落ちてきました。


「あおいのさん！いけますか！」


「はい！でもすでに血の味がします！！w」


なんとww すごいw　


血の味が既にしているのにも関わらず、まだ必死で僕について行こうとしている・・。

あおいのさん、これからもっと速くなるんやろうな。

純粋に登り続けるあおいのさんを見て、おやじ転車はそう思いました。



あおいのさんと登っていると、なんか勇気が出てくるな



「あおいのさん！もうちょっとです！　行きましょう！16分の向こう側へ！」


「はい！」


もうこれは、はっきり言って青春です。


かなり心打たれたおやじ転車は、あおいのさんに16分台の向こう側の景色を見て欲しいと思いました。



少し遅れをとっていたあおいのさん、次振り返るともう僕の後ろについていました。


「お見事！あおいのさん！」

「すみません！最初のうちに張り切りすぎて、乳酸が溜まってタレてしまいました！」


きっと、あおいのさんも心の中で「ほるあぁーーー！！」と叫んでいたに違いありませんw


そして、実はおやじ転車も、初めてのペーシングで緊張してしまい、かなりの乳酸が溜まっていた事は、あおいのさんに内緒ですww


あおいのさんは、そのまま僕の後ろをキープし、やがて最後の緩い平坦に差し掛かります。


タイムを見ます。

ギリギリいけるいけるかいけへんかやな。

今日はそんなパターン多いよなw


あおいのさんに声をかけます。


「あおいのさん！いよいよ最後です！タイムは今の所ギリギリですわ！最後のもがき行きましょう！ペース上げます！」

「はい！！！」


ラストスパートです！！


二人はゴールめがけてもがきました。


ゴール！！！


あおいのさんタイムは？！


16分は切れなかったけど、5秒更新！！


複雑！！！w



でも、あおいのさんはとても喜んでくれました！

良かったですね！あおいのさん！

そして、あおいのさんはゴールの変電所で、


「めっちゃ血の味がします！」


を連呼してましたw

ほんま、頑張りましたね！！





２台の勇気が出てくる自転車たち。




そして、時間がほんとにリミットだったので


「あおいのさん、そしたら下りましょうか、すみません急かしてしまって」


「いえいえ！下りましょう！」


とてもとても短い時間でしたが、中身がぐっと凝縮されたライドに、二人とも終始笑顔が絶えませんでした。


下り途中、いつもの看板に差し掛かりました。





そんな柏原ぶどう、二人の目には 












途中、あおいのさんが



「あ、この桜の下の自転車いい感じですね！」



とパチリと一枚撮っていたので、僕もそれにならって一枚。





今日のライドに乾杯です。



そして、再び下り始めた時、



「心地よい風が吹いてるな・・。あおいの風・・か」



なんとも優しい風でした。
そんな風に包まれながら、やがてスタート地点のセブンイレブンに到着し、



「また一緒に登りましょう^^」


「はい、よろしくお願いします^^」



最後に、再び握手を交わし二人は葡萄坂を後にするのでした。





長い長いライドの最後に、純粋な自転車魂を届けてくれたあおいの風。

あおいのさん、また行きましょう。
あの頂上を目指して。


ありがとうございました^^








〜 完 〜



読んで下さった皆様、最後の最後まで本当にありがとうございました。
とても素晴らしいライドとなった事に感謝です。

ありがとうございました。



あおいの風ライド
131km

３月の走行距離
1030km





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