おやじ転車です。

滝畑ネタ3連続 、恐縮です。
と、同時にいつもありがとうございます。

今日は朝からなんとなく調子がスッキリせず、出発もいつもより10分遅れました。
朝の10分は、夜の1時間に匹敵すると聞きます。(意味は分かりませんが)

そして、案の定走りにも、もろに影響していました。
漕いでも漕いでも、全くスピードが上がりません。
バッドデイというやつでしょうか?
ここのとこ、5時30分起床で、帰宅が23時前、寝床に着くのが1時とか1時30とかの
パターンが多かったように思います。
勤トレする時は、50km以上は走るようにしてるので、睡眠不足が一番の大敵です。

「ちょっと無理してるかな。とりあえず遅刻しんように、逆に淡々と漕ごう。」

ローペースで進みます。
いつもの南楽園の坂、国華園〜天野山カントリークラブまでの坂、
時速20kmを下回る事の無いこの二つの坂も、今日は久々に下回りました。
それでも、後に関西サイクルスポーツセンターの坂が待っているので、
決して無理をせずに進みます。

そして、関西サイクルスポーツセンターへ続く坂に入りました。
「今日はキツイな」
そう言いながら、ペースを上げずに淡々と進みます。

途中、後ろを振り返ります。誰もいません。
しばらくして、また振り返ります。誰もいません。

その時、ふとあの夏の日の出来事を思い出しました。


そう(遠い目)、あの暑かった夏の日の出来事を・・・(漕ぎながら目を伏せてる)


あれは、早朝でも暑かった7月下旬の出来事でした。
その頃の僕は、自分の中ではだいぶ走りも安定してきて、
勤トレ時の関スポの坂も、面白いように登る事が出来ていたと記憶しています。

「俺、すげえ」

もうほとんど天狗、鼻もピノキオ以上に伸びて、
完全なる若気の至り状態でした。
おっさんなのに若気の至りとか、意味がわかりません。

そんな調子こいた状態で登っていると、背後から

「ウィーーーーーン!」

ものすごい音が聞こえてきました。

「原チャリか?」

そう思った瞬間

「!!!!」

一台のマウンテンバイクが、もの凄いスピードで僕を追い抜いていきました。

「マ、マ、マウンテンバイクぅ〜〜??!!」

完全に声が裏返りました。かっこ悪かったです。

その方は、僕の中ではありえないスピードで、そう、まさに駆け上がるという言葉がピッタリの登坂力でした。
ケイデンスも、何かとんでもないケイデンスで回ってます。

「シャッシャッシャッシャッ!!」

「くっ!」

僕は、その方の迷惑を顧みず着いていきます。
後方に張り付き(めっちゃ迷惑)、その方の脚に目をやると、

「何だこれは?!ふくらはぎが馬のような筋肉だ!!」

馬のふくらはぎを見た事ないのに、そう思いました。

「シャッシャッシャッシャッ!!」

すごい音です。着いて行くのがやっとです。
僕がついて来てるのを全く意に介さず、その方はグングンとスピード上げていきます。
並行して僕の心拍もグングン上がっていきます。

途中、何人かのローディーさんたちを追い抜きましたが、
ほとんどの人たちが抜かれた瞬間
「え?」
みたいな感じでした。
朝っぱらからガチバトルです(そう思ってるのは中二病の僕だけ)

サイコンに目をやります。
時速26km・・・ありえん。
心拍190・・・ありえん。

そして、勾配が少しキツくなった瞬間、
「カチャッ」ギアの変わった音がしました。

「ダ、ダンシング??!!」「なっ!ここからまだ上げていくのか??!!」

(なんかロードレーサーが言ってるようですが、サンデーライダーが言ってますので)

そこから、さらにスピードを上げて登っていくではありませんか。
当然、僕にはダンシングできる余力なんか残っていないので、
力の限りシッティングでケイデンスを上げます。

「あと30回転!」「あほ言えドあほ!」

訳の分からん会話を心の中でしてます。

「む、無理か、、」
「でも、ここを越えると更に勾配が上がる!ここでで何とか追いつかないと!」

少し離されかけてた僕は、最後の力を振り絞り、勾配が上がる直前に何とか追いつきかけました。
もう本当にギリギリです。

「よし!きっと相手の方も、この勾配で力が緩むはず!限界に近いはずだ!
追いつけば笑顔で健闘を讃えてくれるはず!」

妄想までもが限界に近づいてます。

そして、勾配が上がった瞬間、

「ギュイーーーーーン!!!」

そこから更にスピードが上がるではあーりませんか!!!

「パクパク」
もう言葉になってません。

サイコンに目をやります。
・・・心拍201
僕の最高心拍がここで判明しました。

暑いはずなのに寒気がしました。

限界が来たようです。

「せ、せめてお名前ぉぉぉ〜〜〜!!!」

その方は、加速したまま遥か彼方へと消えてしまわれました。


・・・行ってしまった。



急激にスピードが落ち、登りきった後はしばらく漕ぐ事が出来ず、足をついて休憩してしまいました。
そして、もっと休憩したかったのですが、これ、通勤途中です。
遅刻もやばかったので、残りわずかな力を振り絞ってまだ先の長い職場まで向かいました。

力を振り絞らないと仕事場へ行けない通勤は初めてでした。

僕は、気力・体力・プライド、あるゆる力を全て失いました。
それとともに、もっともっと精進して、あの方に追いつきたいとも思いました。

これが僕の夏の思い出です。

それからというもの、関西スポの坂では、急に追い抜かれるのがトラウマになって、
しょっちゅう振り返ってしまいます。
もし、僕をお見かけして追い抜く時は、お手数ですが、

「邪魔ー!どいてどいてー!」

とお声かけくださればありがたいです。
もう、すぐに退きます。

そして、もしももしもこのブログを見て下さって、
この話にお心当たりのある方がいらっしゃれば、

あの時は、さぞかし鬱陶しかった事と思います。
この場で大変恐縮ではありますが、お詫び致します。
申し訳ありませんでした。
しかしながら憧れました。ありがとうございました。

そして今更ながら、今日の気温です
image
もはや安定の5度です。

今日は本当に長文でした。
最後まで目を通して下さった方々、
このブログのためにお時間を割いて頂き、本当にありがとうございました。

今日のライド
勤トレ 滝畑経由51.5km
今月の走行距離
310km