おやじ転車です。

このお話は、前回からの続きとなります。


日の出とともに、静かなスタートを切った6人のFRAT戦士たち。

それぞれのアワイチへの思いは、果たして上手く交わる事が出来るのか・・。 




 それでは第2話

 淡路島一周 ② 〜協調〜

どうぞご覧下さいませ。




「いよいよアワイチがスタートしたな」

「天気も良いし、風もそんなに強くないし、最高ライドとなりそうや」


意気揚々と、おやじ転車は先頭を牽いくれてるコーシローさんの後ろを走ります。


今回のアワイチライド、コースを調べる時間がなかったので、本気の初見でした。
なので、有名所は全然知らない、観光名所の位置関係もイマイチ等、分からないだらけでのスタートです。
 

『ほんの少し前に、アワイチをしたコーシローさんに先頭をお任せするしかないけど、それも何か申し訳ないよな』 


おやじ転車、走り出して間も無くそんな事を思いました。
 

『それに、きっと先頭って辛いはずやのに、コーシローさん、僕たちに合わせて良いペースで走ってくれてる』


集団走行の経験はありませんでしたが、先頭を走る辛さは、ぼっち経験で十分に分かります。

そして、おやじ転車は信号でコーシローさんに言いました。
 

「コーシローさん、これってずっと道なりです?」

「うん、ですです」

「じゃあ僕、前を牽きますわ!」
 

率先して前に出ました。
 

「よし、協調ペースで行くぞ」
 

とりあえず、最初のピットインは40km先のファミマらしく、とりあえずはそこまで牽こうと考えてました。
 

「先頭って、向かい風を受けるけど気持ちいいな」
 

おやじ転車、スーッと自分の世界に入って行きます。

・・・。

はっ!!


サイコンを見ると、
 

39km、40km、41km
 

「あかんあかん、自分の世界に入ってもうたw」
 

すぐ我に返り、スピードを落とします。


「ふぅ、危ない危ない」


信号で振り返り、コーシローさんに問いかけます。


「ペース、今んとこいけてます??」

「あ、あぁ、だい、丈夫じゃないすかね」

口ごもるコーシローさんw


すぐ後ろのハルさん、ヤス吉さんに、

「ペースいけてますか?!」

ヤス吉さん、淡々と

「あ、もうちょっと落としてください」

「はい、了解しましたw」

ヤス吉さんは、きっと僕より冷静な判断の持てる大人な方です。
集団には、この冷静さを持ち合わせた方が必要なんだと、この時改めて思いました。


少し落ち込んだおやじ転車、ペースを気にしながら走って行きます。

そして、登り坂に差し掛かった時、おやじ転車は考えました。


『できるだけ平坦と同じくらいのスピードを出した方が、後ろの皆はついて行きやすいんよな、きっと』

『スピードの極端な変化は脚にくるもんな』

『でも、それは俺が結構しんどいって事か。いや、それやったら何の為に前を牽いてるんや。全ては、みんなが少しでも脚を使わずに楽して貰うのが目的やろ』

『スピードは落ちるにしても、出来るだけ頑張って平坦の速度に近づけよう』


おやじ転車、完全なる勘違いのもと、悲劇のヒーロー気取りで登り坂を上りだします。


『みんなが楽に登れるのなら、俺の脚なんかどうなってもいい!』

『もっと力を振り絞れ!俺の脚ぃぃー!!!』

そんな気持ちで、必死にペダルを踏みました。


ゼェゼェハァハァハァ・・


「みんな!少しでも脚使わずに済みました?!」


登りを終えて、振り返ると


ち、千切れてるw

しかも細切れやないかww



みんな口々に、

「ちょっとペースが w」

「平坦よりペースが上がるってどうよww」

「いや、もうちょっと落としてくれんとw」



ブーイングの嵐でしたw


「す、すみませんw」


おやじ転車、またもやしょぼーーーんです。


「先頭を牽くって難しいな」


集団走行の難しさを痛切に感じました。

それからは、ペースを落として、事あるごとにコーシローさんに確認ですw


「いけてますか?」

「いけてますよw」


やがてファミマに到着し、個人的には休憩なくても良かったのですが、チェックインです。

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みなさん、補給タイムです。

おやじ転車、下手くそながらもまだ前を牽くつもりだったので、この先のコースを尋ねます。


「まだこんな感じが続きますか?」

「いや、ここから少し走ると山がありますよ。水仙郷ですね。」


『山か・・』


おやじ転車、ぐっと拳を握りしめました。


『セレクションに入るな』


漫画で知った用語を無理やり使ってみますw


「ちなみに今のペースって、5時間切りいけますかね?」

「まだそんな事言ってんすかww」


それぞれ、いろんな思いがあるようですw


『とりあえず、山に入るまでにこっそりペースをあげて、少しでも5時間切りに近づけておこうw』


みんなと談笑しながら、心の中で細く笑みましたw


「さ、ぼちぼち行きましょか。100太郎さんの時間の事もあるし」


そう、100太郎さんは、アワイチからの仕事ですwww

前回の7葛では、ハルさんがリミットありの中、ギリギリオーバーだったwので、今回はそれを阻止したいという気持ちもありました。


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ファミマを出発します。

ここから、軽いアップダウンも入ってきました。

少しづつバレないように(いや、バレてるw)ペースを上げるおやじ転車、ひたすら先頭を牽きました。


『協調、協調』


ペースを上げつつ、協調もしつつのバランスが難しく感じました。


『集団の先頭を走るって、こんなにも難しいねんな』

『手信号もより完璧にしないといけないし』

『もっと、みんなと一緒に走らないとあかんな』


先頭に立たしてもらった事で、いろいろと学ばせてもらいました。


やがて、道も狭くなり坂道が続きだすと、コーシローさんが、



「この辺りから山へ入りますよ」

『なるほど、ここから登りが続くわけやな』



おやじ転車、ここは一気に行きたいとこではあったのですが、さっきまでの事を思うと


『少なくとも、振り返ると常にみんなが居てるというのが協調のペースやな』


と自分に言い聞かせ、自分の中のハイペースモードは封印しようとしたその時、


後ろからトプローさんが、


「もうStravaセグメント入ってますよ!!」


!!



こおぉぉぉーーーーー!!!


〜つづく〜





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